高齢化が進む日本ですが、単に病気をしない、長生きをする、といった医学的なニーズだけでなく、より健康的で、活動的で、楽しいシニアライフを送るためのアンチエイジングニーズが高まっています。

　そうしたアクティブな老後を送るために有望な成分として人気なのがコンドロイチンですね。こちらのコラムでは、コンドロイチンの持つアンチエイジング効果をご紹介していきたいと思います。

　さて今までのコラムで、結合組織の働きが悪くなることがいわゆる老化の原因だということがわかりました。結合組織の機能の中でも、実はムコ多糖体の機能の低下がいわゆる老化現象の原因なのです。

　このムコ多糖類＝ネバネバ物質の代表的なものがコンドロイチンで、細胞間の基礎物質として全身に充満しています。ところがこのコンドロイチンは、年を取るにしたがって減少します。ということは、つまり、コンドロイチンを補給してやれば老化は防止できる、あるいは老化の進行を遅らせることができる、というわけなのです。

　では、コンドロイチンを外部から効果的に摂取するにはどうしたらいいのでしょうか。そこで、コンドロイチンを家庭で手軽に作る方法を紹介しましょう。

　最も身近な材料は鶏の骨（ガラ）です。それも、若鶏のガラが最適です。スーパーなどで鶏の骨を物色する際は、とりわけ関節の部分が多くパックされたものがいいでしょう。関節部分（軟骨）にとりわけコンドロイチンが多いからです。

　「トリガラスープ」として細粒状になったものも市販されていますが、ただ、中国からの輸入品などは塩分が強すぎるのが難点です。そのためにも、自分で作るほうがベターです。

　作り方は簡単です。シチュー鍋か深めの鍋にガラを入れ、ガラが十分隠れるくらいに水７、日本酒３ぐらいの割合で注ぎ、中火から後弱火で煮出すだけです。煮出すわけですから、時間を十分かけてコトコトと煮ます。

　スープが出来上がったら、調味してそのままスープとして召し上がってもいいし、あるいはシチューのベース、またはカレーのベースにするのもいいでしょう。

　次に、同じスープでも、フカヒレスープや海ツバメの巣のスープなどは、ドンピシャの「コンドロイチンスープ」ですが、これらを日常的に食するとなると、お金がいくらあっても足りなくなります。

　スッポンやウナギのかば焼き、アワビやナマコも、コンドロイチンが多量に含まれた食材ですが、これらを毎日摂取するには、やはり高価ですし、一般的ではありません。

　しかし、大丈夫です。私たちが日常食べている魚類にも、コンドロイチンは含まれています。とくに赤身の魚を中心に、どの魚も骨の周辺にはコンドロイチンが多く含まれています。マグロやカツオの中落ちなどは、その代表ですから、そのつもりで積極的に食べて下さい。

　ところで、同じネバネバ物質で、栄養価も高い納豆、それに昆布やキノコといった植物性の食物は、こと、コンドロイチンの摂取ということではあまり利用されません。

　ネバネバの骨格となる成分の種類はよく似ており、効力的には同じにもかかわらずです。なぜでしょうか。そわは、同じネバネバ物質ではあっても、本質が少し異なるからです。植物体の粘性物質は中性糖が長く連鎖してできたもので、タソパク質を含まない多糖体だからです。

　つまり、効力は同じだけれども、体内の組成と同じタンパク質を含む動物体から抽出したコンドロイチン硫酸を利用する、ということです。

　ちなみにこうした手間が負担に感じるようであれば、やはりコンドロイチンサプリメントが便利です。

　細胞や、膝・腰の関節の健康を維持し、アンチエイジングや関節痛予防を進めたいと思う方はコンドロイチンサプリメントを試してみてはいかがでしょうか。

　なおコンドロイチンは、これまたアンチエイジング成分として人気の、ヒアルロン酸やグルコサミンと相乗効果があることから、これら３つの成分が同時に摂れるサプリメントが人気です。参考になさってください。

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