今、人気の成分として、毎日耳にしない日がないくらいなのが「コンドロイチン」ですが、正式名称は「コンドロイチン硫酸」で、われわれの体内にもともと存在します。皮膚や関節などの結合組織に広く分布していますが、代表的な機能としては、関節内の軟骨の中でヒアルロン酸などと共に高分子複合体を形成し、軟骨にクッション性を与えています。加齢などにより、コンドロイチンが不足してくると、そのクッション機能が低下してくるほか、磨り減った軟骨組織の回復が遅れ、関節痛が長期間発症することになります。そのためコンドロイチンは、関節痛や腰痛を治療する目的で、医療現場でも利用されています。

さてこのコンドロイチンに関する気になる事件が報道されています。

身に覚えのないコンドロイチンなどの健康食品が送りつけられてくる、というものですが、まず最初に業者から「以前、注文を受けた商品が出来上がったので送りたい」という電話がかかってくるようです。

当然、記憶にないので断ると、「ふざけるな！」「録音してある！」などとすごまれ、そのまま押し切られてしまい、代金引換等で受け取ってしまう、ということですね。

兵庫県の生活科学総合センターによれば２０１２年４月から２０１３年１月までの１０ヶ月間で既に２７９件の苦情があり、前年１年間の実績が１１７件だったので既に２倍以上になっている、とのことです。

また、実際に代金を支払ってしまったという苦情は３２件、平均金額は５万３，７７３円ということなので、発覚しているだけで１７２万円の被害、ということになります。あくまでこれは兵庫県のみの被害額なので全国で見ればその数十倍の被害となっているのは間違いないと思います。

騙された確率ですが、苦情件数が２７９件なのに対して実際に支払ったのは３２件なので約１１％ということですね。この割合が高いのか低いのかは分かりませんが、９割近い方がすごまれてもしっかり断っているという意味では低いと言えるかもしれません。しかし、これを押し売りを超えた犯罪として捉えるとやはり高い確率ですね。

加えてもちろんこの件数は氷山の一角です。泣き寝入りしている被害者の数がもっと多いとすると被害額はさらに膨らむことになります。実際には当然、被害者の数はもっと多いはずですね。

さらにこの「送りつけ詐欺」の怖いところは、「商品が出来上がった」と言われたときに、「あら、そうだったかな？」と勘違いして受け取ってしまうことがあることです。そうなるとそもそも被害が発覚すらしませんね。

実際に商品を送りつけたり、代金引換の形で運送業者と取引をするわけで、極めて「足がつきやすい」詐欺にも関わらずこのように大規模に行われている背景としては、発覚している以上に大きな被害が発生しているのではないかと思うのですがいかがでしょうか。

そこで疑問に思うのは、どのようにこうした、失礼ながら騙されやすい被害者を見つけているのか、という点ですが（闇雲に電話しているのであれば被害に遭う確率はもっと小さくなると思います）、どうやら「高額サプリメント購入者」のようなリストが出回っていてそれに基づいて電話しているようです。薄気味悪いですね。

そうした身に覚えのない「押し売り電話」には耳を貸さないことも重要ですが、それ以上に、通販でサプリメントを購入する場合は、上場企業など、個人情報の管理がしっかりしているであろう会社から購入する方が無難と言えそうです。参考になさってください。

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